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古今東西のエピソードから、人として大切にしたい心、元気がわく言葉を送る――エッセイスト・木村耕一のブログです。

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上杉鷹山「父母の恩は、山よりも高く、海よりも深い」

2010/07/07 09:10:25


こんにちは、木村耕一です。


「親の恩」を説いた江戸時代の大名といえば、米沢藩の上杉鷹山(うえすぎようざん)が有名です。

次のようなエピソードが残っています。



「素晴らしい松の盆栽が、格安で売り出されております」

医者の易庵が、米沢城下で得た耳寄りな話を、鷹山に報告した。

鷹山は、盆栽が好きなので喜んだが、どうも、深い事情のある逸品らしい。

易庵は、次のように語った。


「実は、その盆栽の持ち主は、孝行な男なのです。

母親が、長い間、病気で寝込んでおりまして、息子は一人で、看病を続けてきました。

その姿は、端から見ておりましても、りっぱだと思っておりました。

ところが貧しい家なので、次第に母親の薬代が払えなくなってきたのです。息子は、看病の合間に働き、自分の食事も切り詰めて、何とか薬だけは買い続けています。

それがもう限界に来ましたので、父祖の代から、この家の宝として秘蔵されてきた松の盆栽を売り出すことにしたのです。

ところが、誰も希望する金額では買ってくれませんでした。

息子は、何としても母親の薬代が欲しいので、今度は半額にして売り出したというのです……」


鷹山は、これを聞いて、易庵に語った。

「母親の薬代のために、父祖の代から大切にしている盆栽を手離すと聞いてしまうと、とても眺めて楽しむ心境にはなれない。

しかしながら、その孝行息子が不憫でならない。

力になってやりたいが、何の縁もない者ゆえ、どうしようもない。

そこで、最初につけた金額で私が盆栽を購入し、盆栽そのものは、その息子に末永く貸し与えることにしよう。

易庵よ、代金を今すぐに渡すから、一日も早く母親の薬を購入し、心から看病を続けるように伝えてくれ」

(『まっすぐな生き方』より)


鷹山は、孝行者がいると聞くと、褒美を与えるようにしていました。

藩主であった19年間に、孝行で褒賞を受けた者は、85人以上になるといわれています。


では、どういう気持ちで親に接するのを「孝行」というのでしょうか。

鷹山は、次のように教えています。

「父母の恩は、山よりも高く、海よりも深い。

この恩徳に報いることは到底できないが、せめてその万分の一だけでもと、力の限り努めることを孝行という」


まっすぐな生き方

木村耕一著

定価 1,575円(税込)

(本体1,500円)

四六判上製 296ページ

ISBN978-4-925253-41-3

1万年堂出版発行

http://www.10000nen.com/book/massugu/massugu.htm




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